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潰瘍性大腸炎

このような症状は
ありませんか?

潰瘍性大腸炎の症状
  • ずっと腹痛が続いている
  • 下痢が長期間続いている
  • 血便、とくに粘血便が出る

この3つの症状にずっとお悩みの場合、潰瘍性大腸炎の疑いがあります。潰瘍性大腸炎は上記の3つを主な症状とする炎症性腸疾患の一種で、原因のはっきりわからない特発性の病気です。
症状は深刻化する時期と、症状の現れない時期を繰り返すことも特徴の一つです。これらの症状でお悩みの方は、当院までご相談ください。

潰瘍性大腸炎とは

潰瘍性大腸炎大腸や小腸の粘膜で炎症や潰瘍が起こる疾患で、明確な発症原因は分かっていません。こうした疾患を総じて炎症性腸疾患と呼び、代表的なものには潰瘍性大腸炎やクローン病などが挙げられます。大腸粘膜でびらんや潰瘍が生じ、血便の有無が異なる下痢と腹痛が何度も起こります。直腸から結腸にかけて上行性に病変が生じます。病変の広がり方や経過などについては以下をご参照ください。

  • 病変の拡がりによる分類
    直腸炎型、全大腸炎型、左側大腸炎型
  • 病期の分類
    寛解期、活動期
  • 重症度による分類
    激症、重症、中等症、軽症
  • 臨床経過による分類
    慢性持続型、急性激症型、再燃寛解型、初回発作型

潰瘍性大腸炎の特徴

性差はほとんどなく、男性では20〜24歳、女性では25〜29歳で最も発症率が高まります。なお、若年層だけでなく高齢者でも発症リスクは存在します。なお、喫煙者や虫垂の切除経験がある方は発症リスクが低下すると言われています。

潰瘍性大腸炎と類似する疾患

潰瘍性大腸炎には決まった診断基準が存在し、鑑別が必要な疾患としては、「細菌性赤痢」「サルモネラ腸炎」「クローン病」などが挙げられます。

細菌性赤痢

赤痢菌への感染によって発症する腸管感染症のことです。タイ、インドネシア、インドで発症するリスクが高く、多くの場合は海外渡航中の感染と言われています。日本国内では、海外からの帰国者からの二次感染、細菌が付着した食品の摂取などによって発症することがあります。潰瘍性大腸炎と似たような症状が起こり、1〜5日間の潜伏期間を経て、腹痛、下痢、発熱などが起こります。

サルモネラ腸炎

サルモネラ菌が付着した食品の摂取によって発症する感染症です。食肉、鶏卵の摂取、その他にもペットやヒトとの接触が原因で感染することもあります。吐き気・嘔吐、発熱、下痢、腹痛といった症状が3〜4日続き、中には1週間以上症状が収まらない方もいらっしゃいます。

クローン病

大腸、小腸の粘膜で炎症が長期化する炎症性腸疾患の1種です。潰瘍性大腸炎と同じく厚生労働省より難病指定を受けており、発熱、貧血、血便、下痢、腹痛、全身の倦怠感、体重減少といった症状が起こると考えられています。

潰瘍性大腸炎の原因

この疾患の原因はまだ明らかにされていませんが、近年の研究で、遺伝的な要因をもっている人に食生活・生活習慣といった環境的要因が加わることによって、自己免疫の反応が起こって腸壁を攻撃してしまうことから発症するのではないかということがわかってきています。また、その他にも多くの要因が複雑に関係しています。

潰瘍性大腸炎の症状

血便や下痢が起こり、持続的もしくは痙攣性の腹痛も起こります。重度の場合は体重減少、発熱、貧血といった症状も起こり、関節・眼球・紅斑などの症状を併発する恐れもあります。

潰瘍性大腸炎の検査・診断

大腸カメラ検査潰瘍性大腸炎は、直腸から発症して、大腸を肛門から奥の方へと連続的に炎症が進んでいく疾患ですが、炎症は大腸にのみ起こることが特徴です。問診や診察で症状からある程度推定はできるのですが、確定診断のためには大腸カメラ検査が重要になってきます。
大腸カメラ検査では、潰瘍性大腸炎に特徴的な炎症の状態、範囲などを見極めるとともに、その他の疾患が隠れていないか、組織を採取して病理検査などを行い、原因疾患を特定していきます。

それ以外には、感染の状態、炎症の程度、全身の状態、内分泌状態などを調べるための血液検査、肝臓などの状態を確認するための腹部エコー検査なども実施します。

潰瘍性大腸炎の治療

薬物療法と血球成分除去療法が中心となり、状況次第で外科手術も検討します。薬物療法では、寛解導入をするために5-ASA製剤の経口薬や注腸薬を使っていきます。症状が重い方には5-ASA製剤とステロイド剤を併用しますが、タクロリムス、抗TNF-α抗体製剤、α4インテグリン阻害薬といった最新の薬を使用することも可能となっています。ステロイド治療では効果が不十分な場合は、血球成分除去療法を検討します。

潰瘍性大腸炎を放置すると合併症を引き起こしやすくなる?

潰瘍性大腸炎と合併症潰瘍性大腸炎の10%程度は自然に寛解することもあると言われていますが、一般的には寛解期に治療をせず放置してしまうことによって、再発を早め、さらに重症化させてしまう可能性が高くなります。とくに次に挙げるような合併症が起こった場合、緊急外科手術が必要になるばかりではなく、生命に危険が及ぶことも考えられますので、根気よく治療を続けることが大切です。

大量出血

潰瘍性大腸炎の場合、炎症によるびらんは比較的浅い部分にとどまることが多いのですが、稀に大量出血を起こしてしまうこともあります。

中毒性巨大結腸症

腸管が炎症によって弛緩してしまい、拡張して巨大化することがあります。とくに横行結腸に多くみられます。

穿孔(せんこう)

炎症が深く進行することによって、大腸壁に穴があいてしまうことです。腸内の便などが腹腔内に漏れ出すと腹膜炎を起こし生命に危険が及ぶことになります。

大腸がん

慢性的に炎症が起こっているため、大腸がんの発症リスクが高まります。潰瘍性大腸炎があると発症してから10年では1.6%、20年では8.3%、30年では18.3%の方が大腸がんを発症するという統計もあります。大腸がんは早期発見すれば比較的簡単な治療で完治できますので、潰瘍性大腸炎の治療とともに、定期的な大腸カメラ検査による経過観察が重要です。

このように潰瘍性大腸炎は、適切な治療を続けないと、様々な合併症を起こして治療が難しくなることがあります。症状に気づいたらいち早く受診し、気長に治療を続け、定期的に経過観察を続けることが大切です。