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胃潰瘍

胃潰瘍について

胃潰瘍胃酸は強い酸性で、食べ物の消化や病原体の殺菌などの役割を担っています。胃粘膜には胃酸から身を守るような働きがありますが、その働きが低下すると、胃粘膜が損傷を受けて「びらん」を発生させることがあります。
病状が悪化するとその損傷が筋肉層にまで達し、胃壁内が大きく凹む「潰瘍」が現れます。重症の場合は、胃に穴が開いて腹膜炎となる場合もあります。従来は男性が発症しやすい疾患とされてきましたが、近年では更年期や若い女性にも増えてきています。速やかに専門医を受診して治療を受けるのがお勧めです。

胃潰瘍の原因

ストレス

ストレス過度なストレスに晒されることで、急性胃潰瘍が現れる場合があります。
また、緊張や不安、イライラする状態などが続いたり、疲労や寝不足が継続したりすると、自律神経のバランスが乱れるとともに、胃の消化機能と防御機能の均衡が崩れ、胃潰瘍を発症する場合があります。

ピロリ菌の感染

以前は、胃潰瘍の原因はストレスとされていましたが、20世紀末に見つかったピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)が胃粘膜に炎症を起こし、胃がんや胃潰瘍などを引き起こしていると報告されました。今では、ピロリ菌感染が胃潰瘍の主な原因だと言われています。そのため、ピロリ菌感染が判明した場合は、胃がんを防ぐために除菌治療をするのがお勧めです。

刺激の強い香辛料や熱すぎ冷たすぎる飲食物の過剰摂取

過度に熱い、もしくは冷たい食べ物を摂り過ぎた場合、胃粘膜がダメージを受けて胃潰瘍が起こることがあります。

痛み止め薬の長期間服用

ここ数年、鎮痛剤の一種であるNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)を過剰に服用したことで発症する胃・十二指腸潰瘍が話題になっています。このお薬は痛みによく効く反面、間違った飲み方をしていた場合、胃粘膜にダメージを与えてしまう場合があります。

喫煙・飲酒

ニコチンには血管を収縮させる作用があるため、タバコを吸うと胃粘膜の血流が悪くなり、胃潰瘍を引き起こす場合があります。また、アルコールの飲み過ぎにより、胃潰瘍が生じる場合もあります。

暴飲暴食、早食いなどの
食習慣や食生活の乱れ

早食いや食べ過ぎ・飲み過ぎなどの乱れた食習慣により、胃に負担がかかって、胃潰瘍を発症する場合があります。また、食事直後に横になったり、不規則な時間にご飯を食べたりなど、食生活の乱れによって胃潰瘍を発症する場合もあります。

胃潰瘍の症状

心窩部痛
(みぞおち辺りの腹痛)

胃潰瘍では、みぞおち周辺に痛みがよく起こります。みぞおち部分は医学的に「心窩部」と呼ぶため、この部位の痛みを「心窩部痛」と呼びます。
胃潰瘍の痛みは多くの場合、食後に現れます。食事量が多い場合は、痛みが長く続くことが多いです。一方、十二指腸潰瘍の場合は、食前や食間のお腹が減っている時に痛む場合が多いです。

胃潰瘍で起こる心窩部痛は、胃潰瘍の重症度に伴って激しくなるとは限りません。潰瘍が非常に悪化しても痛みを感じないこともあります。しかし、治療せずに損傷がますます深くまで進み、胃壁に穴が開く「穿孔性潰瘍」になった場合は、緊急手術を行わなければいけない場合もあります。そのため、いつもと違う感覚がある場合は、速やかに当院にご相談ください。

吐き気、嘔吐、食欲不振、
体重減少

胃潰瘍を発症した場合、胃酸が過剰分泌されることがあります。過度な胃酸分泌により、ますます胃壁がダメージを受け、胃酸が食道へ逆向きに流れ込むことで、呑酸(酸っぱいものが上がってくる)、胸焼けなどの症状が起こります。また、嘔吐や吐き気を催す場合は、食欲が落ちて体重が減ります。

吐血

潰瘍が悪化して、粘膜下層を走る血管を傷つけた場合、出血します。出血がひどいケースでは吐血が見られます。消化管で出血が起こると、吐下血の前触れとして、低血圧、脈拍の乱れ、冷や汗、めまい、吐き気などの症状が起こる場合があります。また、ひどい痛みも現れる場合もあります。その場合は胃カメラ検査に加えて、輸血などの集中治療をしなければいけない場合があります。

下血

下血は、胃や食道、十二指腸などの上部消化管から血が出て、便に混ざって出てきた血液を指します。胃潰瘍では胃液と合わさって黒くなり、血が出てからある程度時間が経つと酸化して、タール便と呼ばれる粘性が高い黒い便が見られます。下血に気づいた場合は速やかに受診しましょう。

背中の痛み

胃潰瘍では心窩部痛が現れる場合が多いです。しかし、潰瘍が重度になると、痛みが背中にも現れる場合があります。膵臓にまで炎症が到達した場合も、痛みが背中に現れます。

口臭、酸っぱいゲップ・
胸やけ

胃潰瘍で胃酸が過剰に分泌されると、食道に胃酸が逆向きに流れ込み、口臭がひどくなる場合があります。また、吐き気や嘔吐、呑酸(酸っぱいものが上がってくる)、胸焼けなども起こる場合もあります。特有の口臭は、肝炎や胃下垂、慢性胃炎などでも起こります。

胃潰瘍の検査

胃カメラ検査(ピロリ菌)

胃カメラ検査により胃粘膜の状態を調べます。胃潰瘍のみならず、悪性リンパ腫や胃がんなどの悪性疾患によって胃に問題が発生する場合もあるため、必要に合わせて組織検査も実施します。

胃カメラ検査では、胃粘膜を目視でチェックする他、ピロリ菌に感染しているかどうかも確認できます。当院では、鎮痛剤や鎮静剤を用いた内視鏡検査を行っています。安心してご相談ください。

胃潰瘍の治療

胃潰瘍の治療かつては胃潰瘍になった場合、手術になることも多かったのですが、最近ではお薬の開発が進み、お薬だけでほとんどの胃潰瘍が治療できるようになりました。なお、胃潰瘍が完治するには2~3ヶ月かかります。ご自分の判断でお薬の使用を途中で止めてしまうと、慢性化したり何度も再発したりする場合もあるため、医師の指導に従ってお薬を飲み続けてください。

また、タバコや刺激物、食習慣、食生活などの生活習慣を見直し、可能な限り疲れやストレスを蓄積させないよう取り組むことで、再発を防止できます。
胃潰瘍は症状が現れないまま悪化するため、胃カメラ検査を定期的に受けることをお勧めします。